原子・ラジカル・イオンビームによる表面反応素過程の解明

ラジカル注入型イオンビームを用いたLow-k膜のエッチング基礎反応過程の解明

目的

Low-k膜のエッチングプロセスを定量的に理解し、実用化に向けて最適なエッチング条件を見出す。

背景

近年、ULSIは配線の多層化、微細化などの高集積化が進められています。高集積化を進めていくためには、配線遅延の増加を抑制する必要があり、低 抵抗配線材料と低誘電率(Low-k)層間絶縁膜の導入が必要です。そこで我々は、イオンエネルギーとラジカル量をそれぞれ独立制御してエッチングするこ とができる装置を構築し、Low-k膜のエッチング過程の解明を行っています。

アプローチおよび結果

図1の装置はラジカルおよびイオンエネルギーを変化させて各種サンプルのエッチングを行う事ができる装置です。

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イオン銃からイオンを、ECR源からはラジカルをチャンバーへ供給する事ができます。一般に、ECR源からはラジカルと同時にイオンも供給されてし まう為、電子シャワー銃によってECR源から供給されるイオンを消失させる事ができます。ラジカル密度は、真空紫外吸収分光法(VUVAS)により測定す ることができます。この結果を用いてラジカル比をガス流量比により制御することができます。また、イオン銃およびECR源にはH2、N2、ArやCF4と いったガスを導入する事ができます。

図2に装置の配置図を示します。

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エッチングチャンバーとXPSチャンバーがロードロックチャンバーによりつながっています。これによりエッチングチャンバーで処理したサンプルを大気開放することなくXPS測定することができます。

図3はイオン銃にArガスを導入した場合の有機low-k膜である、FLAREのエッチング速度のイオンエネルギー依存性を表しています。

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