単一橋架けCNWを用いた次世代電子デバイスの作製
次世代の新材料としてカーボンナノチューブ、フラーレンを代表とする、ナノカーボンが注目を浴びています。ナノカーボンとはナノメートル(10のマ イナス9乗メートル)サイズの炭素のみで構造される物質で、ナノカーボンの応用として様々のものが考えられており、電子放出素子,燃料電池,パネルディス プレイ材料等が上げられます。その中でカーボンナノウォールは、グラフェンを基本構造とすることに起因する高移動度特性を潜在的に有しています。よって、 電子デバイス等への応用が期待されています。
本研究で用いている電子ビーム励起プラズマ装置(EBEP)を図1に示します。まずプラズマカソード領域において、Arプラズマを生成し電子を生成 します。そして、生成された電子を電子加速領域において加速し、電子ビームとしてプロセスチャンバであるEBEP領域に入射します。ヒーターで加熱をし、 カーボンナノウォールの原料となる炭素源ガスと水素ガスをマスフロコントローラーで流量を設定して注入し、DC電源を印加して、プラズマを生成し、カーボ ンナノウォールの成膜を行っています。本研究では上記に述べた装置を使用し、基板構造を変化させて単一橋架けCNWの作製を試みています。
トレンチ基板上に成膜を行ったところ、トレンチ幅が90nm~250nmとした時に単一橋架けCNWの作製に成功しました。その時のSEM像を図2に示します。