原子層制御プラズマナノプロセスシステム

原子スケールでの超微細加工プラズマプロセスの確立

背景

半導体デバイス製造での要求される加工寸法は1 nm以下になることが予想され、プラズマ内の活性種と基板最表面の原子1つまたは1原子層単位での化学反応を制御する必要があります。1原子層単位での化学反応おいて被加工対象物である基板の温度は重要なパラメータです。これは、活性種の密度や被加工物との化学反応速度などが温度に強く依存しているためです。製造プロセスの一つにプラズマエッチングと呼ばれる基板を垂直方向に削るためのプロセスがあり、1 nmのエッチングに有する時間は0.5秒であり、基板温度0.6℃の変化により1 nmの加工形状の変化がみられます。1原子層単位での化学反応を制御するためは、高精度に基板温度および活性種と被加工物との化学反応速度などの内部パラメータを計測・制御する必要があります。

アプローチ

超微細加工プラズマプロセスの実現のため自律型ナノエッチング装置の確立を目指しています。「自律型ナノエッチング装置」とは、プラズマプロセスにおいて極めて重要な基板温度や活性種の密度をリアルタイムで自己診断・自己修復・自己制御制御することができるプロセス装置です。基板温度や活性種の絶対密度以外の気相、及び基板表界面での反応もリアルタイムでモニタリングし、装置に制御情報としてフィードバックすることで、反応空間の状態が常に最適な状態になる様にプロセス条件を自律的に制御して超微細加工を行うためのシステムを開発しています。

実験装置図

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