グリーンエナジーデバイス

ナノグラフェン合成中の液中プラズマの分光計測

背景

グラフェンは優れた物性値を示し、構造材料や電子材料、ユニークな特性を活かした新しいデバイス、医療、バイオなど、幅広い応用が考えられ、研究が進められています。

当研究室は、「液中プラズマ」によってアルコールを分解し、ナノメートルサイズのグラフェン(ナノグラフェン)を大量に合成することに成功しました。

この方法は,大気圧プラズマを用いることで、従来の合成プロセスで必要であった真空チャンバー、真空ポンプなどの高額な装置を必要とせず,常温常圧で高速合成を可能としています。

しかし、液中プラズマによるナノグラフェンの合成メカニズムは未解明であり、システムの最適化、効率化に向けて、その解明が求められます。
我々の研究室では、液中プラズマによるナノグラフェン合成メカニズムの解明を目的として、さまざまな分光法を用いてナノグラフェン合成中にプラズマ内部に存在する化学種を計測して,合成過程を分析しています。

図1(a)

図1(b)/p>

アプローチ

液中プラズマによるナノグラフェン合成メカニズム解明のため、我々は、合成中に発生する化学種に着目しました。

図2のようなガラス製容器にアルコールを入れて気相中と液相中に電極を設置して,電極間に交流高電圧を印加してプラズマを発生させます。

ナノグラフェン合成中に液中プラズマをリアルタイムで計測できるように、容器には光学計測窓が取り付けられており、プラズマの発光計測やレーザ計測などの適用が可能になりました。
現在は、アルコールが分解されて発生した化学種に注目し、その計測を行っています。

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図2(a)

図2(b)

成果

図3は、ナノグラフェン合成中の液中プラズマを発光分光法により計測して得られた発光スペクトルです。

発光スペクトルからは、各種原子分子毎に固有の波長の光を放射することを利用して、プラズマ内部に存在する化学種を見積もることが可能です。

アルコールが液中プラズマにより分解されて発生したと考えられるC2やHの発光が確認されました。

図3

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