超臨界流体を用いたカーボンナノウォールへの白金微粒子担持とそのメカニズムの解明
現在地球上を走る自動車は約7億4000万台といわれており、ガソリンや軽油を燃料とする自動車は、地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)を排出しながら走行しています。
エネルギー消費による二酸化炭素の排出量のうち、自動車が排出した割合は17%といわれております。
そのため、自動車の二酸化炭素排出量を減らすことは地球環境を守るための急務となっています。
そこで固体高分子形燃料電池を使用した燃料電池自動車の開発が進められています。
固体高分子形燃料電池は炭素電極とその間の高分子電解質膜で構成されています。
電池反応を促進するために炭素電極に白金触媒を担持するのですが、白金は地球上の埋蔵量が少なく、値段も高いため問題となっています。
そのため高効率化、低コスト化を実現するためには、担持される炭素材料(担体)の表面積が大きく、白金の有効表面積が大きいことが望まれます。
そこで我々の研究グループは、非常にアスペクト比が高く表面積の大きいカーボンナノウォール(CNWs)の燃料電池電極への応用を提案します。
我々の研究室ではカーボンナノウォールをラジカル注入型プラズマCVD装置によってシリコンなどの各種基板上に作製しています。
カーボンナノウォールは高アスペクト比であるため、撥水性を有しており、従来の液相白金担持ではカーボンナノウォール全体への白金担持は実現できません。
そのため、我々の研究グループでは反応溶媒として超臨界流体に注目しました。
超臨界流体は液体のように物質を溶解し、気体のように狭い隙間に入り込む性質を持っています。
特に実験で使用している超臨界二酸化炭素は毒性や反応性が低く不燃性で、臨界点が低く、扱いやすい超臨界流体です。
このような超臨界二酸化炭素に有機白金溶液を溶かしこみ、カーボンナノウォール表面全体への担持を試みています。
下図に超臨界二酸化炭素中で白金を担持したカーボンナノウォールの様子を示します。
図1に作製したカーボンナノウォールの走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示します。
図1に見られるカーボンナノウォールの内部を透過型電子顕微鏡写真(TEM)で観察した様子を図2、図3に示します。
図2よりカーボンナノウォール表面全体への白金微粒子の担持を確認しました。
また、図3の拡大図より担持された白金微粒子の粒径は2nmであることを確認しました。
図1.CNW断面SEM像 |
図2.白金担持後CNWTEM像 |
図3.白金担持後CNW拡大TEM像 |
図4.実験装置図
現在地球上を走る自動車は約7億4000万台といわれており、ガソリンや軽油を燃料とする自動車は、地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)を排出しながら走行しています。
エネルギー消費による二酸化炭素の排出量のうち、自動車が排出した割合は17%といわれております。
そのため、自動車の二酸化炭素排出量を減らすことは地球環境を守るための急務となっています。
そこで固体高分子形燃料電池を使用した燃料電池自動車の開発が進められています。
固体高分子形燃料電池は炭素電極とその間の高分子電解質膜で構成されています。
電池反応を促進するために炭素電極に白金触媒を担持するのですが、白金は地球上の埋蔵量が少なく、値段も高いため問題となっています。
そのため高効率化、低コスト化を実現するためには、担持される炭素材料(担体)の表面積が大きく、白金の有効表面積が大きいこと、また脱白金触媒の利用が望まれます。
そこで我々の研究グループは、非常にアスペクト比が高く表面積の大きいカーボンナノウォール(CNWs)の燃料電池電極への応用を提案します。
我々の研究室ではカーボンナノウォールをラジカル注入型プラズマCVD装置によってシリコンなどの各種基板上に作製しています。
カーボンナノウォールは高アスペクト比であるため、撥水性を有しており、従来の液相白金担持ではカーボンナノウォール全体への白金担持は実現できません。
そのため、我々の研究グループでは反応溶媒として超臨界流体に注目しました。
超臨界流体は液体のように物質を溶解し、気体のように狭い隙間に入り込む性質を持っています。
特に実験で使用している超臨界二酸化炭素は毒性や反応性が低く不燃性で、臨界点が低く、扱いやすい超臨界流体です。
このような超臨界二酸化炭素に有機白金溶液を溶かしこみ、カーボンナノウォール表面全体への担持を試みています。